みなさんは、モンゴルというと、どこまでも続く草原と大きな空を思いうかべるでしょう。
セルゲレンさんのふるさとも、草の海といわれていました。
しかし、今、年間7万ヘクタールのペースで草原がなくなっています。砂漠化の原因の一つは、人口が増加したために、草原の開墾がすすんだことです。かつてのような遊牧は少なくなり、柵を作って家畜を放牧するようになったために、家畜が草の根を食べつくしてしまいます。草木の根がしっかりとつかまえていた表土は、根がなくなったために風にとばされ、その下にある砂地が姿をあらわすのです。第五中学校がある、ホルチン沙地は、日本に一番近い砂漠で、急激にその面積を広げています。
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現地では、家や学校で使う燃料に草原の潅木が使われています。自然資源の利用が、実は草原の砂漠化に拍車をかけているのです。人々は、そのことに気がつきません。
セルゲレンさんは、このホルチン沙地に植樹をしています。パルプの原料になるポプラや、松を植えています。中学校を卒業していく子どもたちの約6割が地元にもどり、この地域の未来をつくっていきます。そういう人たちが、自然資源の大切さと、砂漠化を止め、生活の自立のための植林をすることはとても重要だと考えています。
第五中学では、学生たちが苗園作りを発案して、さっそく、作業にとりかかっています。苗木を育てて、植樹する計画です。みなさんは、木を苗から育てたことがありますか。私は、みなさんと内モンゴルの中学生たちが、苗を育てること、植樹のことなど、活発に情報交換をして、交流していってほしいと願っています。
日本は、自然の豊かな国ですから、「砂漠化」と言われてもピンとこないかもしれません。手紙で、いろんなことをきいてみてください。みなさんから、聞かれることで、内モンゴルの中学生たちも改めて、気付くことがたくさんあると思います。もちろん、みなさんも、再発見することがあると思います。
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