毎日、本当に寒いです。外を歩くとき、背中が丸くなってしまいます。こんな季節は家で手仕事をするのがいいですね。こたつでぬくぬくしながら、針仕事。いいですね。みなさんは、毛糸でマフラーを編んだり、刺繍(ししゅう)をしたりするのがすきですか。
考えてみれば、小学生の時は家庭科でぬい物をよくやりました。まず、ぞうきんをぬうことからはじまって、手さげバックやパジャマ。テーブルクロスの刺繍。たしかクロスステッチだったかしら。中学生では、ワンピースをぬいました。よくやったと自分に拍手をしてあげたい気分です。今ワンピースを作ってごらんといわれてもやる気すらおきません。第一、私は手先が器用ではないのです。
でも、でも。ときどき、「コレ、作ってみたい!」とお腹の底から思うときがあります。たとえば刺し子(さしこ)。刺し子は日本に古くからある手芸の一つで、木綿の布を糸でぬい、補強したのがはじまりだそうです。糸が描き出す素朴な模様がとてもいい感じです。麻の葉の模様は、麻のようにじょうぶに育つようにと赤ちゃんの産着にも使われます。単純だけどすてきな意味のある模様と糸のポツポツとした縫い目がきれいで、「やりたーい!」と思いました。そして、「刺し子セット」を買いました。いえ、買ってしまいました。
まだあります。もうすぐ、ひな祭りです。豪華なおひなさまもいいけれど、縁起のよいかわいらしい小物をつるした「つるし雛」の美しさに感動しました。娘が健康に幸せに成長するように一つひとつ心をこめて作るのです。娘はいないけど、「つくりたーい!」と思って、「つるし雛セット」を買いました。いえ、買ってしまいました。
悲しいことに、刺し子もつるし雛も今だにパックされたままの姿で横たわっています。はあ〜。ついでに、言いましょう。「手ぶくろ人形」「手づくりおもちゃ」のセットも横たわっています。気の毒に。
作りたい、なんとかしなければと思うのですが、セットが届いたとたん満足してしまい、やる気がしゅっとしぼんでしまうのはなぜでしょう。自分にもわからない。
母が子どものころは、習い事は3月3日にはじめるのが普通だったそうです。習い事ではないけれど、私も今年の3月3日に、まず刺し子からはじめてみようかしら。つるし雛までにはちょうど1年あるし。でもできるかなあ。やっぱり、わからない。
|