2月、かなり寒いです。それなのに、ジンチョウゲのつぼみが、日に日にふくらんでいるのには、びっくり。冬と春がいりまじっている感じがします。
さて、うちのおんぼろ車の話です。14年のっていて、20万3000キロ走っています。知り合いの車やさんで、夫と息子たちが一目ぼれをして買いました。色は、ワインレッド。なんでも、『羊の皮をかぶったオオカミ』といわれている車で、おとなしそうだけど、力があり、スピードがでるのだとか。
思い出深い場面には、いつもこの車がいました。免許(めんきょ)とりたての息子たちが運転をして、石川県の叔父(おじ)の家まで行ったり、兵庫県から運ばれてきた柴犬まるを、運送会社の事務所までとりにいったり。千葉にいったときは、帰りに動かなくなり、たいへんでした。なにせ、おんぼろですから。
10年前の夏のことです。私の弟がとつぜんたおれ、入院しました。私たち家族は、病院の近くのホテルにとまりこみ、24時間、交代でつきそいました。そのときに、この車は、夜中、家までの往復や、人の送り迎えなど私たちの足としてよく走ってくれました。かなしいことに、弟は天国にいってしまいました。するとそのあとすぐに、車も故障して動かなくなり、気づいたら、タイヤのホイールも一つとんでなくなっていました。なんだか、つらい夏をいっしょにのりきった家族のような気がしました。弟、そしてあとをおうようにいってしまった父。この二人が、息子たちに運転をおしえてくれたのも、この車でした。
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