ひなたぼっこばなし 第59話 「こんにゃく」

 町の花屋さんの店先に、もみの木が3本ならんでいました。ポインセチアもずらり。
「つぎはクリスマスだよ」とおいたてられているような気がして、なんだかそわそわして
しまいます。でも、おちついて、おちついて。私は、今、クリスマスどころでは
ないのです。「こんにゃく」 をなんとかしなくては。

 私は食材を共同購入(きょうどうこうにゅう)しています。毎月2回、申し込みシートで注文
します。時間がないときは、ぱっと印をつけてしまうので、「えー、たのんでない!」という
ような物が届いてしまうことが時々あります。
 そして、この前、やってしまったのです。
「手造り生芋こんにゃく」をたのんだはずが、とどいたのはどろつきの芋が二つ!!
「なんじゃこれ」と思い、説明書きをよんでみたら、「手造り生芋こんにゃくセット」と書いて
あるではありませんか。
「セット!?」
 そうなんです。自分で芋からこんにゃくを作ろうというセットだったのです…。
「あれ〜っ」。
 よよっとめまいをおこしそうになったとき、ぱっとひらめきました。
「そうだ。こんにゃくの作り方を今度のひなたぼっこばなしに書こう」
 そう決めたら、元気になりました。そして芋が届いてから2週間後のきょう、こんにゃく作りに挑戦してみました。


1.こんにゃく芋、どーん。500グラム。


2.芋を洗って、皮をむく。おへそみたいな
芽はとる。鍋に水1.8リットルいれておく。

3.芋を角切りしてひたひたの水をいれてミキ
サーにかける。水は1.8リットル分からとる。
芋はまるで梨のようなかおり!

4.ミキサーの音にほえるまるちゃん



5.4の芋と水をしゃもじでまぜる。
おやおや、色がピンク色。きれい。



6.鍋に5をいれてこげつかないようにしゃ
もじで混ぜながら煮る。10分ぐらいたつと、
フツフツ煮たつ。こんにゃくの主成分マンナン
が開いた印なんだって。弱火にしてさらに5分。

7.70ccの湯でといておいた凝固剤12.5グラム
を6に加え、バラバラにならないよう、
がんばってまぜる。加えたしゅんかん、こん
にゃくのにおいが、ふわん!

8.すばやくパットにいれ平らになでる。20分
放っておく。



9.こんにゃくを切る。


10.沸騰したお湯にいれて20分ほどゆでる。
アクがどんどん出て、びっくり。

11.ゆであがりを水に1時間ほどさらして、でき
あがり!

12.田楽こんにゃく。手造りだと、さらに
おいしい!

 1枚の説明書に3か所も、「できあがる前のこんにゃくは絶対に口に入れないで」と書かれていました。6番あたりで、ちょっと食べたくなったのですが、「口の中がピリピリと荒れて大変なことになる」と書いてあったので、がまんしました。スリリング。
 それにしても、あの芋を、こんにゃくにしようなんて思いついた人は、いったい、だれなんでしょう。すごい人だと思います。

冬至(12月22日〜1月4日)に、「ん」のつく食材を食べると健康にすごせるといわれています。「なんきん」「だいこん」そして「こんにゃく」も。こんにゃくは、「砂払い」といい1年間で体にたまった毒を吸収して排出してくれるんですって。あと1つ芋があるので、冬至にまた手作りしましょうかね。でも、説明書に「日数が経つほどできあがったこんにゃくの風味はおちる」と書いてある。じゃあ、また注文?
どうしようかなあ。