ひなたぼっこばなし 第38話 「 28年目のクリスマスツリー 」

ミツバチ
クリスマスツリー。
雪に使っているのは、羊の毛です。
ミツバチの巣箱
ぬいぐるみずらり。
なぜか今年、豪徳寺の招き猫も仲間入り。
どこにいるか、わかるかな。
服
かべかざりのツリー。
20年前に友だちが作ってくれました。
玄関にかざったリース。
群馬に住んでいる友だちが送ってくれたフジのつるで作りました。山でとったそうです。もう何年使ってるかなあ。
 
  近くの花屋さんの店先に、高さが1mぐらいのもみの木が1900円で売られていました。「こんな値段では買えません。お早めに!」という看板がかけられていました。いつ売れるかと気にして見ていたら、次の日にはなくなっていました。きっと、今ごろはきれいに飾られてどこかにスッと立っていることでしょう。もみの木は1年中、葉が緑色なので「永遠の命」をあらわすといわれていますが、地植えしたとたんに枯れたという話もよくききます。クリスマスが終わったあと、あのお買い得のもみの木の運命は、いかに。  

 さて、我が家のクリスマスツリーは、枯れないタイプ。28年前、息子たちの初めてのクリスマスに通信販売で買いました。高さは130cm。毎年子どもたちはツリーと背くらべ。いつになったらあのてっぺんの星を自分たちで飾ることができるかしらと楽しみにしていたら、あっというまにツリーの背をおいこしてしまいました。  

 ツリーの飾りは、買ったときのをそのまま使っています。だいぶボロボロですが、古い感じが28年の月日を感じさせてくれます。それにサンタさんの顔や星の光具合が、しぶくてなかなかいいんです。  

 ツリーの下には、ふだんは押し入れで寝ているぬいぐるみたちが大集合します。双子の息子たちが小さいころいただいた人形なので、ほとんどが2組ずつあります。32人(?)いました。 7年前に亡くなった大好きだったおじいちゃん(私の父)からもらったぬいぐるみも、変わらぬ可愛らしさで並んでいます。ぬいぐるみをもらって喜ぶ息子たちを、うれしそうにながめていた父の顔が浮かんできます。一つひとつのぬいぐるみに、贈ってくれた人とのあたたかな思い出がやどっています。  

 28年目のクリスマスツリー。これからも年を重ねて、いつか私から息子家族へとバトンタッチする日がくるといいなと思います。それにしても困るのが、柴犬まる。すきあらば、ぬいぐるみをカミカミしようとねらっているのです。まるのカミ跡も、ぬいぐるみに刻まれた思い出の一つにはちがいないけれど、形がのこるかどうかが問題。う〜ん。