ひなたぼっこばなし 第36話 「 もう一つのお月見 」
月見盆(つきみぼん)。ワインのたるの底板をリサイクルして、息子が作りました。丸いへこみをつくり、漆(うるし)をぬってあります。お月見の日に、このへこみに水をいれ、月のすがたをうつしたいけど、たぶんむりでしょう。今は、まるちゃんとさんぽしたときにひろったドングリをいれてあります。お月見の日には、豆とクリとだんごをかざります。
このごろ、さえないことが続きます。夏に、炊飯器(すいはんき)がこわれ、デジタルカメラがこわれ、秋のはじめにアイロンがこわれ、ついこの間、掃除機(そうじき)がこわれました。次は、冷蔵庫(れいぞうこ)かしら。はぁ〜。
掃除機がこわれたときは、しばらくほうきでそうじをしました。新聞紙を水でひたしてこまかくして、部屋にまきます。ごみやほこりを新聞紙にくっつけるようにして、ほうきではくのです。私の母がよくやっていましたっけ。最初はなかなかいい感じでした。でも、ちょうど今、柴犬まるちゃんの毛が夏毛から冬毛にぬけかわるときなのです。部屋に毛が落ちて、ふわふわまうものですから、きれいにとりきることができません。しかたなく、新しいのを買いました。はぁ〜。
気持ちをとりなおして、なにかいいことがおこるように、月に願いをかけることにしました。日本には、十五夜のお月見と十三夜のお月見があることを知っていますか。
十三夜は、旧暦の9月13日の月で、今年は10月23日です。お月見は、十五夜と十三夜、両方の月をみるもので、片方だけをみるのは「片見月」といわれて、よくないのだそうです。10月は、枝豆やくりがとれる頃なので、「豆名月」ともよばれています。昔の人たちは、月をながめながら、秋の収穫をお祝いしていたのでしょう。
十三夜は、十五夜のまんまるお月様になる2日前の月です。どこらへんがへこんでいるか、よーく見てみてください。でも、なぜ、かけている月を見るのかしら。ふしぎですね。これから、完全なまんまるになるのを期待をもって、待つ。そんな気持ちでしょうか。子どもの成長を待つ。種から芽がでるのを待つ…どこかにている気がします。
十三夜のお月様をむかえるしたくをはじめました。この前、上弦(じょうげん)の月がとてもきれいに見えました。この調子で、二つ目のお月見がぶじ、できますように!