ひなたぼっこばなし 第31話 「 スイカは30円 」
まると毛
みてみて。こんなにぬけたよ。(まる)
まるとフェルト
みてみて。ぬけた毛でフェルトボールをつくったよ。(飼い主)
タケノコ
友だちは、いつもぬかとタカノツメも送ってくれます。
スイカ
中身は30円。スイカスカスカです。
ちょっとぼけててごめんなさい。
街路樹(がいろじゅ)のハナミズキが、白やピンクの花を咲かせはじめました。はとぽぽのおはかにうえたジンチョウゲも根づきました。柴犬まるちゃんも、夏にむかって、冬の毛がぬけています。季節がトントコすぎていくような気がします。
きょう、友だちからタケノコが届きました。毎年、自分の山でとれたタケノコを4・5本送ってくれます。うちだけでは食べきれないので、さっそく、母がご近所におすそわけしました。タケノコといえば、子どものころ、皮を洗って梅干をはさんでちゅうちゅうすったものです。皮つきのタケノコが八百屋さんにならぶのは短い間。旬(しゅん)をのがさず、梅干ちゅうちゅうもためしてみてください。
ところで、みなさんはJRの「スイカ」や私鉄の「パスモ」を知っていますか。JRも私鉄も地下鉄も1枚のカードでスイスイ乗ることができてべんりです。私はスイカをもっているのですが、ある日スイカの残金が30円になってしまいました。JRを通らないので、お金を足すことをあきらめ、切符を買うことにしました。
まず、目的地までの料金をたしかめます。 駅で路線図(ろせんず)とにらめっこして、自分がなんの電車にのるのか調べます。ところが、駅によっては、なに線にのったらいいのかわからない。いつもは、カードでスっといろんな電車をのりついで目的地に行けるので、私は路線図をすっかりわすれているのです。つまり脳みそをつかってないってこと。一人つったって路線図をみあげている私のまわりを、たくさんの人たちが早足で通過していきます。まるで魚の群れの中でたち泳ぎをしている気分ですが、ねむっている脳みそをゆりおこしているようで、けっこう楽しいのです。
そして、さらになんだかうれしいのが紙の切符のさわり心地。頼りなくていい感じ。そういえば、そんなにとおくない昔、駅員さんがかための切符にカチャカチャといいリズムでハサミをいれていたっけ。駅によって切り口の形がちがっているのが面白かったし、改札をとおるとき、「おはようございます」「おつかれさま」という声も聞こえていたし。なんて、のどかな風景。
これから、春から初夏へ。いい季節になりますね。いそがず、のんびりいきたいものです。私のスイカはとうぶん、30円のままにしておきましょう。