ガムをかんだのが悪かった。歯(は)のつめものがとれちゃった。今年に入って、もう2回目。また、やっちゃった。

このまえ、着物を洋服につくりなおしてくれるお店を見つけました。「いい感じだなあ」とショーウィンドウを見ながら歩いていたら、電信柱にゴツン!ぶつかっちゃった。いたかった。

ここまできたら、いっちゃおう。私、カレー粉から、こだわってカレーを作ってみました。みんなでいただきますしてから、「あれ?なんかヘン」。もっと、カレー粉をいれようと、缶を手にもったとたん、夫の一言。「それ、からし粉だよ」「え〜!!」まちがえちゃった。からし粉の缶は黄色で、カレー粉は赤。まちがえるよね。カレーはやっぱり黄色でしょ。

「っちゃった」っていう表現(ひょうげん)は、単に[なにかが終った]という意味を伝えるだけではなく、[失敗(しっぱい)、はずかしい、残念(ざんねん)]という気持ちを、より強くあらわしたいときに使うようにおもいます。

近所に、蔵(くら)がありました。その持ち主が生け垣も蔵もすべてとりこわして、スペイン風のフランスレストランと貸し家にしました。風景は一変。すっかり、かわっちゃった。持ち主の考えなのでなにもいえませんが、これは残念の「っちゃった」です。

うれしい「っちゃった」もあります。このまえ私は、子どもたちの前で「ひなたぼっこいし」という絵本を読みました。「これは、石の上でとかげがきもちよさそうにお昼寝していたのをみていて、うまれたお話です」と話したとたん、最前列にいた女の子が、友だちに「ア、カイタヒトニアッチャッタ、カイタヒトニアッチャッタ」とまるでぜんまい仕掛けのお人形さんのように小さな声で話し始めたのです。それが聞こえてしまった私は、『ア、ヨンダヒトニアッチャッタ。ヨンダヒトニアッチャッタ』とドキドキしてきました。おまわりさんに会うと、悪いこともしていないのに、にげたくなるようなそんな気持ち。わかる?「まずい。みつかっちまったゼ」。べつに、まずくもないのですが、なんかはずかしい。これはうれしはずかしの「っちゃった」です。

いろんな「っちゃった」がありますね。 「地球がこわれちゃった」なんてことになったら大変だけど、っちゃった、っちゃった…ってくりかえしていると、ずんちゃった、ずんちゃった…って楽しいリズムが
聞こえてくるような気がしませんか。

みなさん!‘失敗’も‘残念’も‘はずかしさ’も、なんのその。♪っちゃった〜のリズムにのせて、サラサラ流していきましょう。


リップクリームとまちがえて、スティックのりをくちびるにぬっちゃった。♪っちゃった〜っちゃった〜♪でも、よくにてるよね。みんなも、気をつけて。