木に名前をつけちゃおう!大作戦 〜千早第二公園〜

児童館の先生とボランティアの方と相談しながら記録用紙に記入する子どもたち。
顔よりも大きな葉っぱをつけたアオギリの木を見上げて観察しています。葉っぱが三つにわかれていたので「みつ」とニックネームをつけました。葉っぱの絵を描いたり、楽しい記録になりました。
木につける名札を記入する様子。鉛筆で下書きをして一枚一枚丁寧に木の名前を書きました。
木に名札をつけている様子。こうして名札をつけた木と友達になって欲しいと願いを込めて見守るエコとしま2006のメンバー。

 9月21日(木)午後2時50分、要町第一児童館につくと13名の小学生たちが公園に向かう準備をしているところでした。児童館の先生の点呼に元気よく返事をする児童たち。そんな児童たちと親しげに会話をしているのはエコとしま2006プロジェクトのメンバーです。エコとしま2006のメンバーの方々は豊島区内の公園を順番にまわりながら”木に名前をつけちゃおう!大作戦”をしかけています。

”木に名前をつけちゃおう!大作戦”では、木に親しみをもってもらうため豊島区内に60ある公園の木に木の名前がわかるように名札をつけることを実践しています。廃材を利用した木の札の表には、木の科目と種類がかかれ、裏には、公園のある地域に住んでいる子どもたちが木につけたニックネームとその木に札をつけた子どもの名前と活動した日付が書いてあります。こうして名札をつけた木と子どもたちが友達になるというのがこの活動の特徴です。今回の公園で21箇所目。豊島区内にある60の公園の実に3分の1で活動を実施したことになります。そして、公園以外にも3つの小学校の校庭でも行っています。(木に名前をつけちゃおう!大作戦について詳しくは、2006年3月19日の活動取材をご覧ください。

この日は、児童館に来ている小学生1年生から3年生と一緒に、児童館から歩いて1,2分の千早第二公園で”木に名前をつけちゃおう!大作戦”を実施しました。今回は公園に出かける前、児童館で子どもたちと話し合いをしました。エコとしま2006プロジェクトのメンバーが子どもたちに、
「私たちが生きていられるのは何のおかげかな?」、「何によって生きていられるのかな?」と。さらに「それはどのようにして・・・・・」という会話をして、木の葉の働き、樹木、植物についての理解を深めてから公園に行きました。


楽しそうな活動の様子につられて途中参加してきた児童もあわせて最終的に20名の児童が参加し、44本の木に名前がつけられました。子どもたちは観察カードに木の幹や葉っぱに触ったり、葉っぱの匂いをかいだり、五感を使って観察したことを観察カードに記入していきました。名札をつけた後は、木と記念撮影をしました。みんなそれぞれポーズをとったり、嬉しそうな笑顔で写っています。その写真を「参加賞」と日付と活動した公園の名前が書かれた台紙に貼ります。大切そうにもちかえる子どもたちを見ているとエコとしま2006プロジェクトメンバーの方々の子どもたちへの思いやりが伝わってきます。

記録用紙には、日付、場所、学年、名前、観察した木の名前、木につけるニックネーム、木を選んだ理由、木の太さ、木の高さ、木に触った感じ・幹の様子、葉っぱの観察の欄が用意されています。葉っぱの観察のところは、直接葉っぱを貼ったり、絵を描いたりしていました。

ムクロジの実で笛を作ってみよう!!
 エコとしま2006プロジェクトのみなさんは、この日参加した子どもたちに面白いおまけを用意していました。
ムクロジの実です。
子どもたちの小さな手に乗ってもさらに小さいムクロジの実。
ムクロジは秋に黄褐色に熟し、その皮にはサポニンが含まれ石鹸のない時代に洗濯や洗髪に利用されていました。
また、お正月の羽子板で使う羽の先に使われている黒くてまんまるのが、ムクロジの種です。この種の入った実に穴を開けると笛になるから不思議です。原理は、体育の授業なんかで先生が使う笛と一緒です。実に開けた穴に息を吹き込むと、中の種が実の中でくるくる動いて空気の振動を生んできれいなピーっという音を出すのです。子どもたちの小さな口にはちょうどいいみたいで、大人の人が何度も挑戦しても上手にふけないのに、子どもたちが何度も何度も挑戦しているうちに、「ピーッ」と、どこか身が引き締まる音がなりました。

こんな風に楽しい仕掛けがいっぱいのエコとしま2006プロジェクトのみなさんの活動はこれからも続きます。
このように子どもたちがそれぞれの地域にある自然とふれあい、そして大人と子どもが触れ合える活動が他の地域に広がることを願っています。エコとしま2006のみなさん、これからも頑張ってくださいね。

穴を開けたムクロジの実。 角度を変えたり、いろいろ工夫しながらムクロジの笛を吹く様子。