9月にクヌギの植樹をした森もすっかり冬の姿に様変わりした。今年は11月以降も暖かい日が続いたせいか、コナラを中心とした広葉樹の葉は例年のように鮮やかな紅葉を見せることなくあっという間に茶色になっていった。子どもたちが植えたクヌギは一本も枯れることなくしっかりとこの森の大地に根づいているようだ。このまま一冬を越して来年の春、再び若々しい鮮明な緑の葉をつけた姿で、子どもたちを迎えてくれることを心から祈りたい。
やまおやじの森では今年の締めくくりとして、近隣の人たちに声をかけて焼き芋やロープなどをつかった森遊びをすることになった。
森の中で焼き芋をしていたら、なんとなくレトロな気分になってきた。こんな素朴でスローな気持ちのなったのは確か小学生のころじゃなかったかと思う。みんなで落ち葉を集め焚き火をして、その中にサツマイモを入れて焼きあがるのをじっと待ったあの感覚が蘇ってきた。こんな気持ちになったのは私だけではなく、みんなそうだと思う。
サツマイモが焼けるまでいろんな昔話に花が咲いた。この森で遊んだこと、昔はすいとんばっかり食べたので今は見たくも無いという話などで盛り上がった。子どもたちも落葉だらけの森の中で初めてする焼き芋に格別の味わいを持ったことだろう。
今日はみんな笑顔で過ごせた。特別のご馳走ではないが、焼き芋にはどこか人の心を温かくしてくれる魔法があるようだ。本当に幸せな一日を過ごせた。来年もやろう。そして再来年も。その次の年も・・・。みんなが幸せでいられるように。 |